- トークイベント
ひろしまたてものがたりフェスタ2025連携企画 Vol.1
「瀬戸内海に築かれた文化:戦後建築の軌跡とその現在」
「瀬戸内海に築かれた文化:戦後建築の軌跡とその現在」
入場料 無料(事前予約制)

2025年10月4日(土)より開催する『ひろしま国際建築祭2025』に伴い、より多くの方に建築に関心を寄せていただくため、また広島ならではの視点で戦後建築を見直すため、「ひろしまたてものがたりフェスタ2025」との連携企画として、記念講演会を開催します。
「戦後日本における建築は、瀬戸内から始まった」と言えるほど、丹下健三をはじめ、世界的に高く評価される日本の建築家が、瀬戸内での活動を行ってきました。本企画は10月18日、10月26日の2回に渡り記念講演会を開催することで、建築家と広島のつながりを歴史的観点から紐解きつつ、今後の瀬戸内の文化がどのように築かれていくのか、見直す場となることを目指します。
- 日 時
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2025年10月18日(土) 13:00〜15:40(開場12:30)
- 会 場
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広島県立歴史博物館 講堂
広島県福山市西町2-4-1
- 主 催
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広島県、一般財団法人 神原・ツネイシ文化財団
- 入場料
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無料(事前予約制)
- 定 員
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280名
第1部
13:00〜14:10(70分)
タイトル:トークセッション「今振り返る広島の半世紀」
登壇者:藤本寿徳(建築家)、前田圭介(建築家)
内 容:現在、広島県内で活躍する建築家に、彼らの建築の根底をなす備後地域をはじめとする瀬戸内の「原風景」について、講演いただきます。瀬戸内の歴史と現在の建築家が織りなす対話をきっかけに、瀬戸内の歴史と文化を見直します。
第2部
14:30〜15:40(70分)
タイトル:トークセッション「後山山荘とその次へ─藤井厚二に始まる福山たてものがたり」
登壇者:藤井英博(後山山荘オーナー)、前田圭介(建築家)、松隈章(竹中工務店、聴竹居倶楽部代表理事)、谷藤史彦(下瀬美術館 元副館長)
内 容:福山出身の建築家・藤井厚二による藹然荘(あいぜんそう)が、藤井厚二に強い共感をもつ人々の手によって、後山山荘として生まれ変わりました。昭和初期に建てられた藹然荘の背景を探りつつ、鞆の浦をはじめとする瀬戸内の歴史や文化に触れながら、これから福山の“たてもの”がつむいでいく“ものがたり”について、後山山荘の中核を担う4名のお話をうかがいます。
藤本寿徳
1967年山口県生まれ。1991年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1991年より安藤忠雄建築研究所、1994年よりNASCAへの勤務を経て、1998年に藤本寿徳建築設計事務所を設立。瀬戸内の風土に惹かれ、独立に際し広島県福山市を拠点とする。数多くの住宅を手がけ、主な受賞歴に、日事連建築賞優秀賞、ひろしま建築文化賞優秀賞、JIA中国建築大賞優秀賞、日本建築学会作品選集、などがある。現在、安田女子大学講師。

前田圭介
1974 年、広島県福⼭市⽣まれ。2003 年UID 設⽴。
故郷「広島県福⼭市」を拠点に国内外でインターローカルな設計活動を⾏い、建築・庭・街といった内外の境界を⼀体的に捉えた空間を探求している。
福⼭市内では『ホロコースト記念館』にてDedalo Minosse 2007 /2008 国際建築賞Under40 グランプリ(イタリア)、こどもえんつくし乳児棟『Peanuts』にて2012 年こども環境学会賞 デザイン賞、2013 年⽇事連建築賞 国⼟交通⼤⾂賞。『福⼭本通・船町商店街アーケード 改修プロジェクト-とおり町Street garden-』にてグッドデザイン賞2017 グッドデザイン⾦賞(経済産業⼤⾂賞)。『santo』にて2024 年⽇本建築学会作品選奨を受賞。その他、第11 回ARCASIA 建築賞 ゴールドメダル(Asia)、第24 回JIA 新⼈賞、Design Vanguard 2014 選出(米国)、AR House 2016 Winner(英国)など受賞。

©藤塚光政
藤井英博
1951年広島県福山市生まれ。幼少期、海水浴のため毎年鞆の浦を訪れていた。大学以降は東京に住み、証券会社に勤務。2009年、リタイアを目前にして心境の変化が生じ、故郷とのつながりを求めて後山山荘のある敷地を購入。敷地から見える鞆の浦の景色が購入の決め手となった。55年間の東京での生活を終え、現在は広島市に拠点を移している。

松隈章
1957年 兵庫県生まれ。株式会社 竹中工務店 設計本部設計企画部所属、経営企画室 サステナビリティ推進部兼務。一般社団法人 聴竹居倶楽部 代表理事。公益財団法人 竹中大工道具館 評議員。北海道大学建築工学科卒業後、竹中工務店入社。建築設計業務の傍ら近代建築の保存活用や数多くの建築展、美術展に携わる。主な著書『聴竹居 藤井厚二の木造モダニズム建築』平凡社コロナブックス、『聴竹居 発見と再生の22年』ぴあ関西、『聴竹居実測図集』彰国社。聴竹居の一連の活動に対して2018年度日本建築学会賞・業績賞及び日本イコモス賞を受賞。

谷藤史彦
1955年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。京都大学大学院にて博士(人間・環境学)を取得。ふくやま美術館副館長、下瀬美術館副館長歴任。主な展覧会企画に、「アフロ ブッリ フォンタナ」、「武田五一・田辺淳吉・藤井厚二 」、「フランク・ロイド・ライトと武田五一」、「マッキアイオーリ」、「キネティック・アート」、「ピカソ展」などがある。主な著書に、『ルチオ・フォンタナとイタリア二十世紀美術』(中央公論美術出版、2016年)、『祭りばやしのなかで――評伝 高橋秀』(2015年)、『武田五一的な装飾の極意』(2017年)、『藤井厚二の和風モダン』(2019年、いずれも水声社)などがある。
